自己破産の裁判所費用の内訳と納付時期|予納金・印紙代と弁護士費用の違い

2026年9月21日更新養分のトリセツ編集部広告

目次
  1. 自己破産で裁判所に納める費用の3つの内訳
  2. 手続き3種類と裁判所費用の違い
  3. 裁判所費用と弁護士費用の違い3点
  4. ギャンブルが原因の借金で費用に影響しうる3つの点
  5. 費用が足りないときの4つの選択肢
  6. 相談先を選ぶ前の3つのチェック項目
  7. よくある質問
  8. まとめ|裁判所費用の仕組みを理解して一歩を踏み出す

自己破産の手続きを進める際、裁判所へ納める費用は手続きの種類(同時廃止・少額管財・通常管財)や管轄裁判所(原則としてお住まいの地域を担当する地方裁判所)の運用によって大きく異なります。さらに、この裁判所費用は弁護士や司法書士などの専門家へ支払う報酬とは別に準備しなければなりません。

この記事では、裁判所に納める費用の内訳や納付時期、専門家費用との違い、費用が手元にない場合の現実的な選択肢、相談先で確認すべき項目を整理します。金額は手続きの種類や裁判所の運用で変わる項目があるため、具体的な金額は管轄裁判所の案内で確認してください。

自己破産で裁判所に納める費用の3つの内訳

自己破産を申し立てる際、裁判所に納める費用は主に3つの項目で構成されています。それぞれ支払いの目的や金額の決定方法が異なります。

収入印紙(申立手数料)

申立書に貼って納める、国への申立ての手数料です。額は申立ての案内で確認します。

予納郵券(郵便切手)

裁判所が債権者への通知や書類の送達に使用する郵便切手代です。債権者の数によって必要となる切手の枚数や金額が変動します。求められる額面や組み合わせは各地方裁判所ごとに細かく指定されているため、事前に管轄窓口での確認が必要です。

予納金

手続きを進行させるために、あらかじめ裁判所に納付する費用です。官報(国が発行する広報紙)への公告費用や、破産管財人(裁判所が選び、財産の調査や、財産を売ってお金に換える手続きなどを行う人)が選任された場合の管財人報酬などに充てられます。裁判所に納める総額の中で最も金額の変動が大きく、同時廃止か管財事件かによって必要な額が大きく異なります。

いつ何を払うか

収入印紙と予納郵券は、原則として破産申立書を裁判所へ提出するタイミングで納めます。一方、予納金は裁判所が指定する期日までに納付します。具体的な納付時期や方法は管轄する裁判所ごとに異なるため、事前に準備期間や納付手順を専門家と相談しておくことが大切です。

補足・参考

制度や運用は変わりうるため、最新の手引きは管轄裁判所の公式案内や窓口、相談先で確認してください。

編集部のおすすめ
イーライフ司法書士法人
先払い買取現金化・後払いツケ払い被害の相談
被害相談を見る

手続き3種類と裁判所費用の違い

自己破産の手続きには大きく分けて3つの種類があり、どの手続きが選ばれるかによって裁判所へ納める予納金の負担が大きく変わります。少額管財と通常管財は、破産管財人が選ばれる「管財事件」の区分です。

同時廃止事件

申立人に目立った財産がなく、免責(借金の支払い義務を免除してもらうこと)に関する特別な調査も不要と裁判所が判断した場合に選択される手続きです。破産手続の開始と同時に手続きが終了(廃止)するため、破産管財人は選任されません。管財人報酬が不要となるため、裁判所に納める費用は印紙・予納郵券と、官報公告費用などを含む予納金が中心となり、負担を抑えやすい傾向があります。

少額管財事件

一定の財産がある場合や免責の事情について調査が必要なものの、事案が比較的簡素である場合に適用される運用です。通常の管財事件に比べて破産管財人の業務負担を抑え、予納金の額も低めに設定されることがあります。ただし、すべての裁判所で導入されているわけではなく、取り扱いの有無や名称(簡易管財など)は管轄地域によって異なります。

通常管財事件

処分すべき財産の規模が大きい場合や、事業を営んでいた場合、複雑な債権関係の調査が必要な事案に適用される原則的な手続きです。調査や配当の手間が多岐にわたるため、破産管財人に支払う報酬分として高額な予納金が必要となります。

どの手続きになるかの分かれ目

手続きの振り分けは、所持している財産の状況や借入に至った事情、調査の必要性などを総合的に考慮し、最終的には申立てを受けた裁判所が判断します。申立人側で自由に選択することはできません。

手続きの種類 主な該当場面 納める費用の中身
同時廃止事件 財産が少なく調査も不要な場合 印紙・予納郵券と、官報公告費用などの予納金
少額管財事件 財産換価や調査が必要だが簡素な事案 上記+管財人報酬分の予納金(低めの場合あり)
通常管財事件 大規模財産や事業負債で調査が複雑な場合 上記+管財人報酬分の予納金(高額になりやすい)

注意

インターネット上の情報に記載されている相場や体験談は、特定の裁判所での事例に過ぎない場合があります。他人の金額をそのまま自分に当てはめないよう注意してください。具体的な金額は管轄裁判所で確認してください。

裁判所費用と弁護士費用の違い3点

依頼する本人から、裁判所と弁護士・司法書士の2か所へ別々に矢印が伸び、裁判所へ納める費用と専門家へ支払う費用が別の流れであることを示す概念図

自己破産にかかる総額を把握する際は、「裁判所へ納める実費」と「専門家へ支払う報酬」を混同しないことが極めて重要です。

支払先と使いみち

裁判所費用は、国や裁判所の手続きを進行させるために納付する公的な金銭(印紙代・郵便代・予納金)です。一方、弁護士や司法書士に支払う費用は、法律相談、申立書類の作成、裁判所対応などの専門業務に対する着手金や報酬金、事務所の事務実費となります。

金額の決まり方

裁判所費用は法令や各裁判所の運用に沿って決まります。一方で、弁護士や司法書士の費用は各事務所が独自に報酬基準を定めています。そのため、専門家に依頼する際は必ず契約前に見積書を提示してもらい、内訳を確認する必要があります。

支払いのタイミング

専門家費用の支払い時期や回数は事務所との契約内容で決まります。契約前に、いつ・いくら払うかを見積書や契約書で確認してください。裁判所費用は、申立書の提出時や裁判所が指定する期日までに納めます。つまり、裁判所費用と専門家費用は、支払先も納める時期も別に決まります。

比較項目 裁判所費用 弁護士・司法書士費用
支払先 申立てを行う地方裁判所 依頼する法律事務所・司法書士事務所
金額の基準 手続きの種類および裁判所の運用基準 各専門家事務所の料金規定
支払いの時期 申立時および裁判所の指定期日 契約内容による(契約前に確認)

自己破産にかかる全体の出費は、「裁判所費用 + 専門家費用 + 書類取得実費(住民票などの取得費用)」の合算となります。

なお、司法書士に依頼する場合は主に裁判所提出書類の作成支援となり、弁護士とは関与できる範囲が異なります。具体的な対応範囲は依頼先や公式の案内で確認してください。確認する項目は、後半の「相談先を選ぶ前の3つのチェック項目」で整理します。

ギャンブルが原因の借金で費用に影響しうる3つの点

借金の原因に競馬・競艇・競輪・パチンコなどのギャンブルが含まれている場合、費用の面で特別な考慮が必要になることがあります。

免責の調査と管財事件の関係

破産法第252条には免責不許可事由が定められており、浪費や賭博による過大な債務もこれに該当し得ます。事情を考慮して裁判所が裁量で免責を認める場合もありますが、判断は事案ごとに異なります。

ギャンブルが原因にある場合は、その使途や反省の状況を破産管財人が詳しく調査する必要があると判断され、同時廃止ではなく管財事件(少額管財を含む)となり、管財人報酬分の予納金が加わる可能性があります。

財産の扱い

手元にある車、生命保険の解約返戻金、預貯金などの財産は、財産を売ってお金に換えて債権者に配当する対象となる場合があります。換価の対象となる財産の基準は裁判所や事案で異なり、財産が多く残っているほど管財事件として扱われる場合があり、費用面にも影響する場合があります。

事情を伝えて資料を揃える

ギャンブルによる借入れがある場合でも、事実を隠さずに相談することが、見通しや費用を相談する前提になります。預金通帳の入出金履歴やクレジットカードの利用明細などを正確に提出し、生活を立て直す姿勢を示すことが、専門家や裁判所との信頼関係を築く基礎となります。

注意

手続きの費用を捻出するために別の借入れを行ったり、特定の債権者だけに優先して返済したり、財産を家族名義に変更したりする行為は、手続き上大きな不利益を招くおそれがあります。独断で動かず、必ず事前に専門家へ相談してください。

なお、ギャンブルによる行動をコントロールできずに悩んでいる場合は、各自治体の精神保健福祉センターや公的な保健所などでも相談窓口が設置されています。金銭面だけでなく、生活環境全般を整える公的窓口の利用も選択肢のひとつです。

費用が足りないときの4つの選択肢

「自己破産をしたいが手元にまとまった費用がない」という場合でも、状況に応じて検討できる手段がいくつか存在します。分割・後払いや法テラスの立替は主に専門家費用の話です。裁判所へ納める費用に使えるか、分けて納められるかは、裁判所の案内や専門家に確認してください。

専門家に分割・後払いを相談する

法律事務所や司法書士事務所への相談では、費用の分割払いや後払いに対応している場合があります(可否や条件は事務所ごとに異なるため相談時に確認します)。

弁護士に依頼して受任通知(依頼を受けたことを債権者へ知らせる通知)が送られた場合、返済の督促が止まることがあります。その間に返済に充てていた資金を専門家費用の積立てに充てる方法が検討されますが、司法書士へ依頼した場合の督促や受任通知の扱いは事前に相談先へ確認してください。

法テラスの民事法律扶助を確認する

経済的に余裕がない方を対象として、日本司法支援センター(法テラス)が弁護士・司法書士費用の立替えを行う「民事法律扶助制度」があります。利用には収入や資産が一定基準以下であることなどの条件が定められています。立替金の償還方法や利用条件については、窓口で直接確認してください。

親族の援助を受ける場合の注意

親や親族から費用の一部の援助を受ける方法もあります。ただし、受領した金銭が「贈与」なのか「貸付」なのかによって財産目録への記載や手続き上の扱いが異なる場合があります。事前に専門家に援助の形を共有した上で進めることが安全です。

自己破産以外の債務整理も比較する

裁判所費用の負担が重い場合は、裁判所を介さずに利息のカットなどを交渉する「任意整理」や、財産を残しながら減額を目指す「個人再生」など、他の債務整理手続きの適否を検討する選択肢もあります。個人再生は自己破産と同じく裁判所を通す手続きで、別の費用や条件があります。任意整理を含め、費用面と向き不向きは専門家に確認してください。

手元資金の状況 考えやすい動き方 主な確認先
手元資金がほとんどない 立替制度の対象範囲を法テラスで確認 法テラス窓口、自治体の相談窓口
毎月の少額積立てなら可能 専門家への分割払い相談、受任通知後の積立 弁護士事務所、司法書士事務所
親族からの支援が見込める 援助金での一括準備(事前の扱い確認が必須) 相談先の担当弁護士・司法書士

養分のトリセツ編集部より

費用がないからと手続きを諦めてしまう前に、まずは公的な法テラスや弁護士会の法律相談センター、自治体の消費生活窓口へ状況を話してみることをおすすめします。状況に合う手続きや相談先を案内してもらえることがあります。

相談先を選ぶ前の3つのチェック項目

債務整理について法律事務所や司法書士事務所へ相談する際は、後々のトラブルを防ぐために次の3項目を事前に確認しておくと安心です。

費用の内訳を書面で説明してもらえるか

着手金、報酬金、事務手数料、裁判所費用の実費がどのように区分されているかを確認します。予納金が必要になった場合に追加で発生する費用や、支払いが滞った際の取り決めについて、契約前の段階で書面や見積書を用いて丁寧に説明してくれる窓口を選ぶことが重要です。

自分の状況が受付対象か

債権者の社数や現在の借入総額、収入状況のほか、「ギャンブルが主な原因である事案」についての対応方針を確認します。事案によって適切な手続きが異なるため、自身の事情を率直に扱ってもらえるかを見極めます。

依頼先の関与範囲と申込み後の流れ

弁護士と司法書士では関与できる範囲が異なります。司法書士と弁護士の関与範囲の違いを踏まえ、どこまで対応を求めたいか、申込み後にどのような手順で面談や手続きが進むのかを事前に窓口で確認してください。

ご注意

上の3点は窓口で確認してください。個別の借入状況に応じた専門家の判断が必要です。

PR

シン・イストワール法律事務所

債務整理・借金問題の相談

無料相談を見る

PR

アース司法書士事務所

この記事で紹介したサービス
イーライフ司法書士法人
先払い買取現金化・後払いツケ払い被害の相談
被害相談を見る

よくある質問

自己破産の裁判所費用は全部でいくらかかりますか?
財産がなく管財人が選任されない「同時廃止」であれば印紙・予納郵券と、官報公告費用などを含む予納金が中心となりますが、管財人が選任される「管財事件」(少額管財を含む)になると管財人報酬分の予納金が加わります。具体的な納付額は管轄する地方裁判所の規定をご確認ください。
印紙代と予納金は何が違うのですか?
収入印紙代は裁判所に申立てを行うための公的な手数料です。一方の予納金は、官報への公告費用や破産管財人への報酬など、手続きを進めるためにあらかじめ裁判所へ預けておく費用の前払い分となります。
裁判所に納める費用が用意できないと自己破産はできませんか?
裁判所に納める費用は、原則として手続きに必要です。用意の方法や納付の扱いは裁判所ごとに異なります。専門家費用の分割や法テラスの立替が裁判所費用に使えるかは確認が必要なため、資金状況を専門家や公的窓口に相談してください。
弁護士費用と裁判所費用は別々に払うのですか?
はい、支払先も納付時期も別になります。弁護士費用は依頼する法律事務所へ契約内容に従って支払いますが、裁判所費用は申立時や裁判所が指定する期日までに納めます。具体的な納付時期や方法は裁判所ごとに異なります。
ギャンブルが原因でも自己破産はできますか?費用は高くなりますか?
破産法上の免責不許可事由に該当し得ますが、裁判所が事情を考慮して免責を認める場合もあります(判断は事案ごとに異なります)。ただし、調査のために管財事件になる可能性があり、その場合は管財人報酬分の予納金が必要になって費用負担が増えることがあります。
司法書士にも自己破産の手続きを依頼できますか?
司法書士には主に裁判所へ提出する書類の作成支援を依頼できます。弁護士とは関与できる範囲が異なるため、どこまで頼めるかは依頼先で確認してください。

⚖️ 無料で借金問題を相談できる窓口

自己破産・任意整理・個人再生を含む借金問題は、専門家への早期相談で負担を抑えて解決できる場合があります。以下は無料で相談を受け付けている窓口です。

・法テラス(日本司法支援センター) — 収入要件を満たす方は無料相談+弁護士費用立替も可能

・弁護士ドットコム 借金・債務整理の相談 — 全国の弁護士に無料相談

※本記事は一般的な解説であり、具体的な手続きは資格を持つ弁護士・司法書士にご相談ください。

まとめ|裁判所費用の仕組みを理解して一歩を踏み出す

この記事のまとめ

・裁判所費用は「収入印紙」「予納郵券」「予納金」の3つで構成され、手続きの種類や裁判所の運用で変わる項目がある

・裁判所費用は専門家(弁護士・司法書士)への着手金・報酬とは支払先も納める時期も別である

・手元に資金がない場合でも、専門家への分割払い相談や法テラス・弁護士会・自治体相談窓口の利用といった選択肢がある

自己破産を検討する際、費用の総額が見えないことは大きな不安要素となります。しかし、裁判所に納める公的な費用と専門家への報酬を分けて整理することで、何を確認すればよいかが見えてきます。借金の原因がギャンブルにある場合でも、事情を専門家に率直に伝えることが、見通しや費用を相談する前提となります。

管轄裁判所の案内で、印紙の額、予納郵券の額面と組み合わせ、予納金の額と納付期限を確認します。相談先には、専門家費用の内訳と裁判所費用の見込みを聞いてください。

次に読む

この記事の内容に続く記事です。

対処する法テラス弁護士費用の相場|立替制度・支払い手続きこの記事を読む →まず知る【2026年】個人再生の費用の内訳と総額の確かめ方|弁護士費用・裁判所費用と支払方法まず知る【2026年】任意整理の弁護士費用の相場|着手金・報酬金の内訳と払えないときの相談先まず知る任意整理の費用が30万円って高い?【2026年】内訳と支払い方法を解説

「相談先の選び方」の記事を順番に見る →