【2026年】法テラスで家賃滞納は相談できる?借金が重なるときの窓口と準備
目次
家賃の支払いが遅れてしまい、法テラスで相談できるのか分からず悩んでいませんか。結論から申し上げますと、収入や資産などの条件を満たせば、法テラスを通じて家賃滞納に関する法律相談を受けられる可能性があります。ただし、法テラス自体はお金を立て替えて家賃を肩代わりする機関ではありません。
この記事では、ご自身の状況で相談ができるかの見立てや、カードローンなど複数の借金が重なっている場合の窓口の選び方、相談前に手元へ揃えておきたい準備物を整理してお伝えします。落ち着いて次の一歩を判断するための材料としてお役立てください。
法テラスで家賃滞納は相談できる?先に知る3つの前提
家賃を滞納している際、法テラスの利用を検討するにあたっては、あらかじめ把握しておきたい仕組みや前提が3点あります。窓口に向かう前の基礎知識としてご確認ください。
前提1:法テラスは法律相談や費用立替の窓口であり家賃立替機関ではない
法テラス(日本司法支援センター)は、法的トラブルを抱えた方に向けて情報提供を行ったり、経済的余裕のない方に無料法律相談や弁護士・司法書士費用の立替(民事法律扶助)を行ったりする総合案内所です。
そのため、滞納している家賃そのものを法テラスが一時的に立て替えて大家さんに支払ってくれるわけではありません。受けられる支援は、あくまで法的な解決を目指すための相談や代理人費用のサポートに限られます。
前提2:貸主や管理会社との交渉は受任した弁護士等が行う
大家さんや管理会社、家賃保証会社との話し合いや法的な手続きの代理は、正式に依頼を受けた弁護士や司法書士(簡裁訴訟代理等関係業務の認定を受けた専門家)が行います。
相談を受けた相談員や法テラスの窓口スタッフが、相談者に代わって相手方と直接交渉を行うことはありません。交渉や手続きを依頼したい場合は、相談を経て正式に専門家へ依頼(受任)する流れとなります。
前提3:相談窓口の体制や案内は地域ごとに異なる
法テラスと連携した法律相談の枠組みは、全国一律の同じ窓口だけで運営されているわけではありません。地域ごとの弁護士会と連携して相談会が開催される事例も見られます。
例えば神奈川県弁護士会では、法テラスの相談援助を利用した「賃貸住宅相談」の枠組みを設け、契約関係や家賃滞納に関する相談を受け付けている案内が公開されています。お住まいの地域でどのような受付体制が用意されているかは、事前に最寄りの法テラスや弁護士会で確認することが大切です。
注意
記載している制度や窓口の案内は一般的な基準に基づくものです。個別の事情や契約状況によって利用の可否や対応方法は異なりますので、具体的な解決結果を確約するものではありません。
補足・参考
法テラス公式トップページと神奈川県弁護士会の案内を2026年9月に確認しました。収入基準や無料相談の回数などは変わることがあるため、最新の内容は法テラス公式サイトで確認してください。
家賃滞納の状況別に選ぶ相談先3パターン
家賃の滞納は、発生してからの期間や届いている書類の性質によって、最初に選ぶべき相談先が分かれます。ご自身の状況に合わせて次の3パターンを参考にしてください。
| 現在の滞納状況 | 最初に考えたい相談窓口 | 窓口で確認・伝えること |
|---|---|---|
| 滞納初期・連絡や督促状のみ | 大家・管理会社/自治体の自立相談窓口 | 現状の支払い見通し、住居確保給付金等の利用可否 |
| 契約解除通知や裁判所の書面が届いた | 法テラス/各地の弁護士会(司法書士会も選択肢) | 書面に記載された期日、明渡請求への法的な対応策 |
| 家賃に加えカードローン等の借金もある | 法テラス/弁護士会/消費生活センター | 全体の借入残高、月々の返済総額、債務整理の選択肢 |
パターン1:滞納初期で督促の連絡が来ている段階
家賃の支払いが遅れて間もない、あるいは通常の督促状が届いている段階であれば、まずは大家さんや管理会社へ状況を正直に伝え、いつまでにいくら払えるかの見通しを共有することが基本となります。
失業や急な収入減で支払いが困難な場合は、お住まいの自治体に設置されている「生活困窮者自立相談支援窓口」に相談する方法もあります。住居確保給付金などを利用できる場合があるため、対象や内容は自治体の相談窓口で確認してみましょう。
パターン2:内容証明郵便や裁判所からの書面が届いた段階
「契約解除通知」が内容証明郵便で届いたり、裁判所から「支払督促」や「訴状」が届いたりしている場合は、すでに法的な手続きが始まっている段階です。これを放置すると、明け渡しの強制執行などに進んでしまうリスクがあります。
書面に記載された期日までに適切な対応を行う必要があるため、速やかに弁護士(弁護士会・法テラス経由)へ相談し、書面を持参してアドバイスを受けることが求められます。なお、司法書士が対応できる範囲は事案によって異なるため、司法書士会等へ相談する際は窓口で確認してください。
パターン3:家賃だけでなく他の借金の返済も重なっている段階
家賃を支払うためにカードローンから借り入れを行っていたり、消費者金融の返済期日と家賃の支払日が重なって立ち行かなくなっていたりする場合は、家賃単体ではなく家計全体の債務問題を整理する必要があります。
借金問題全般を扱っている法テラスや弁護士会、日本司法書士会連合会の総合相談センター、あるいは多重債務相談を受け付けている消費生活センターなどを窓口として選びましょう。なお、家賃保証会社を利用している場合、滞納分が保証会社によって立て替えられ(代位弁済)、請求元が大家さんから保証会社へ移っているケースもあるため注意が必要です。
法テラスを使う前に確認したい4つの条件と費用
法テラスの民事法律扶助制度を利用して法律相談や費用の立替を申し込むには、一定の要件を満たす必要があります。事前に押さえておくべき4つのポイントを整理しました。
条件1:収入と資産が一定の基準以下であること
法テラスの無料法律相談や代理援助を利用するには、手取り月収や保有資産(現金や預貯金など)が規定の基準を下回っている必要があります。世帯人数や地域などで基準が決まっており、基準の詳細は法テラス公式サイトで確認できます。
条件2:相談内容が民事法律扶助の取り扱い対象であること
民事法律扶助は、民事・家事・行政に関する法的な紛争が対象となります。家賃滞納に伴う相談や借金の相談も対象になり得ますが、事案の内容が適しているかどうかは個別に判断されます。
条件3:無料相談の制限と立替費用の分割返済(償還)ルール
基準を満たした場合に無料で受けられる相談の回数や時間には上限があるため、予約時に公式案内で確認してください。
相談の結果、弁護士等に手続きを正式依頼する場合は費用が発生しますが、法テラスがその費用を立て替え、利用者は後から分割で法テラスへ返済(償還)していく仕組みになっています。
条件4:令和8年4月から開始された償還免除のオンライン申請
法テラスの立替金返済が経済的に困難となった場合の「償還免除申請」について、法テラスでは令和8年(2026年)4月1日より全国でインターネットによる申請受付サービスを開始しています。
免除の可否は個別に判断されるため、対象者と手続きの詳細は公式案内で確認してください。
注意
資産や収入の基準を超えている場合は、法テラスの無料相談を利用できません。その際は、各地の弁護士会や司法書士会が開設している一般相談窓口や、自治体の法律相談などの活用をご検討ください。有料か無料枠があるかは会や自治体で異なるため、予約時に確認が必要です。
他の借金も重なるときに整理する3つの視点
家賃の支払いに困っている方のなかには、複数の借入れを自転車操業のように繰り返してしまい、どこから手をつければよいか分からなくなっているケースが少なくありません。問題を整理するための3つの視点をご紹介します。
視点1:負債と収支の全体像を書き出して可視化する
最初にすべきことは、家賃の滞納月数と総額、借入先ごとの残高、毎月の返済額、返済期日をすべて書き出すことです。
頭の中だけで悩んでいると不安ばかりが膨らみますが、紙に一覧化することで、毎月の収支に対してどれだけの不足が出ているのかが客観的に把握でき、専門家に相談する際にも話がスムーズに進みます。
視点2:自己判断で支払いの優先順位を決めない
「取り立ての連絡が厳しいところを優先して払い、家賃を後回しにする」「家賃を払うために別のカードローン枠を使う」といった対応は、負担が増えるおそれのある対応です。
住居の維持を最優先にすべきか、あるいは全体の債務を法的に整理すべきかは、個人の収入や契約状態によって異なります。自己判断で場当たり的に振り分けず、必ず専門家を交えて返済や整理の計画を立てることが重要です。
視点3:債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)の仕組みを知る
借金の総額が返済能力を超えている場合、法的な手続きを通じて負担を軽減する「債務整理」が選択肢となります。債務整理には、主に裁判所を通さずに交渉する「任意整理」、住宅などの財産を考慮しながら減額を目指す「個人再生」、免責を受けて支払い義務の免除を目指す「自己破産」などの方法があります。
どの手続きが適しているか、また家賃の滞納分をどのように扱うかは個別の法律判断となるため、弁護士や司法書士に確認しながら選択肢を検討していきます。
もし借金の背景にギャンブルなどの出費が関係している場合は、家計の再建と並行して、各自治体の精神保健福祉センターや依存症相談窓口など専門の支援機関を頼ることも生活の立て直しに向けた選択肢のひとつです。
カードローンなど複数の借金も重なっている場合の相談窓口選び
家賃だけでなく、複数の金融機関からの借入やカードローンの返済が重なっている場合は、債務問題全般の整理に対応している法律事務所への相談も有力な手段です。相談先を選ぶ際は、以下の点を確認すると安心です。
・債務整理や多重債務問題の相談受付を行っているか
・初回の相談費用や、正式に依頼する場合の費用体系が明瞭か
・現在の収入や生活状況に応じた現実的な解決プランを提示してくれるか
・連絡方法や面談の手順について丁寧な事前説明があるか
借金の整理は一人で抱え込まず、弁護士や司法書士の資格を持つ専門家へ早めに相談し、生活再建の道筋を立てていきましょう。
相談前に準備したい5つのもの
限られた相談時間の中で的確なアドバイスを受けるためには、事前の準備が役立ちます。なお、法テラスの法律相談は、公式サイト(https://www.houterasu.or.jp/)の案内からWEBまたは電話で予約する形が案内されています。電話番号や受付時間は変わることがあるため、公式サイトで確認してください。手元に揃えておきたい資料は以下の5点です。
1:現在の賃貸借契約書
契約期間、家賃の月額、共益費、敷金の取り決め、連帯保証人や保証会社の記載内容を確認するために使用します。手元に契約書が見当たらない場合は、契約時の控えや管理会社からの書面を探しておきましょう。
2:滞納の状況が分かるメモや記録
何月分の家賃を滞納しているのか、未払い額の合計はいくらかを整理しておきます。また、これまでに大家さんや管理会社とどのようなやり取り(電話、手紙、メールなど)を行ったかの履歴も重要な情報となります。
3:手元に届いた督促状や裁判所からの書面
届いている書面(督促状、催告書、契約解除通知、裁判所からの期日呼出状や支払督促など)はすべて原本を保管し、相談時に持参します。書面に記載されている「作成日」や「返答期日」が重要な判断材料になります。
4:直近の収入や家計の状況が分かる資料
収入や家計の状況が把握できる資料(例:給与明細、預貯金通帳など)を用意します。法テラスの資力確認に必要な書類は、予約時に公式案内や窓口で確認してください。
5:借入先の一覧表
金融機関名、借入残高、月々の返済額、直近の借入・返済日をまとめた一覧表を作成しておきます。返済が滞っているところがあれば、その旨も記載しておくと相談が円滑に進みます。
編集部の一言
書類が揃っていなくても、まず窓口に相談して大丈夫です。足りない書類は窓口で確認できます。「分からない部分は分からない」と正直に伝えることが、正確な見通しを立てる一番の近道となります。
相談で避けたい3つの落とし穴
家賃や借金の滞納に直面している際、焦りから誤った判断をしてしまうケースがあります。特に避けるべき3つの落とし穴を確認しておきましょう。
落とし穴1:届いた通知や督促状を放置してしまう
連絡を取るのが怖いからと、届いた書面を開封せずに放置することは避けてください。法的な手続きには異議申し立てや答弁書の提出期限が定められていることが多く、期限を過ぎると相手方の主張通りの判決や決定が出てしまうおそれがあります。
落とし穴2:返済資金を用立てるために新たな借入を重ねる
家賃の支払いやカードローンの返済に充てるため、別の業者から新たに借り入れて一時的にしのいでも、翌月以降の返済負担が増えるおそれがあります。借入を増やす前に、全体を窓口で整理することを検討してください。
落とし穴3:資格の確認できない相手や誇大広告を信じる
「誰でも借金の悩みが軽減される」「解決をサポートする」といった表現であっても、断定的な広告や、弁護士・司法書士としての身元が確認できない無資格の業者には十分注意してください。相談や依頼を行う際は、必ず日本弁護士連合会や日本司法書士会連合会の登録名簿に載っている正規の専門家であることを確認しましょう。
注意
非弁行為(弁護士資格を持たない者が報酬目的で法律事務を取り扱うこと)を行う悪質業者に関わると、二次被害に遭うおそれがあります。公的な窓口や正式に登録された専門家を通じて相談を進めてください。
よくある質問
- 家賃を滞納していても法テラスに相談できますか?
- 収入や資産が一定の基準以下であるなど、民事法律扶助の条件を満たしていれば相談を受けられる可能性があります。ただし法テラス自体が家賃を立て替えて支払うわけではありません。利用条件に該当するかは窓口にて個別に判断されます。
- 法テラスに相談すると大家さんや管理会社に連絡がいきますか?
- 大家さんや管理会社への連絡の有無は、予約時に窓口へ確認してください。正式に弁護士や司法書士に依頼し、代理人として相手方に通知(受任通知など)を送る段階では、相手方に連絡が行きます。
- 収入が少ない状況ですが無料相談は利用できますか?
- 基準を満たしていれば、法テラスの無料法律相談を受けられる可能性があります。なお、弁護士等に依頼した後の費用については、法テラスによる立替と分割返済の仕組みが用意されています。
- カードローンの返済も厳しいときはどこに相談すべきですか?
- 法テラスのほか、各地の弁護士会、司法書士会、消費生活センターの多重債務相談窓口などが挙げられます。相談窓口で家賃滞納と借入の両方を伝え、対応範囲を確認しましょう。
- 強制退去を法テラスに相談すれば必ず止められますか?
- 必ず止められるといった確約はできません。裁判所から書面が届いている場合は、期日を確認し、早めに弁護士等へ相談してください。書面の内容や経緯を踏まえて、取り得る対応について助言を受けられます。
- 法テラス以外に家賃滞納を相談できる公的な窓口はありますか?
- 生活再建の支援や住居確保給付金などの案内を行っている自治体の「生活困窮者自立相談支援窓口」や、各地の弁護士会・司法書士会が設けている法律相談窓口、消費生活センターなどがあります。
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※本記事は一般的な解説であり、具体的な手続きは資格を持つ弁護士・司法書士にご相談ください。
まとめ|家賃滞納と借金の問題は早めの窓口相談から
家賃の滞納や複数の借金が重なっている状態は、一人で抱え込んでいると精神的にも追い詰められがちです。しかし、法的な仕組みや公的な窓口を正しく頼ることで、生活を再建するための選択肢が見えてきます。
この記事のまとめ
・法テラスは条件を満たせば相談可能だが家賃の立替払いをする機関ではない
・督促の段階や届いている書面の性質に応じて相談窓口を適切に選ぶ
・他の借金もある場合は、自己判断で返済の優先順位を決めず、全体の収支を書き出して専門家と整理する
・契約書や届いた通知を保管し期日を過ぎる前に公的窓口や専門家へ相談する
まずは手元に届いている書面を開封して期日を確認し、賃貸借契約書や借入の記録を揃えることから始めてみてください。法テラス、弁護士会、自治体の相談窓口など、信頼できる公的な機関を上手に活用しながら、生活を立て直す一歩を踏み出していきましょう。
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