自己破産の手続きの流れ|申立てから免責までの期間の考え方と必要書類

2026年10月5日更新養分のトリセツ編集部広告

目次
  1. 自己破産の手続きの流れと完了までの4つのステップ
  2. 自己破産における2種類の手続き(管財事件と同時廃止)の違い
  3. 申立て時に準備する3つの代表的な必要書類
  4. 自己破産の相談先を選ぶ際の確認ポイント
  5. 自己破産の手続きに関するよくある質問
  6. まとめ|自己破産の手続きの流れを理解し適切な相談先を選ぼう

自己破産を検討する際、申立てから解決までどのような段階を踏むのか、どの程度の期間がかかるのかは多くの方が抱く疑問です。

裁判所の公式案内によると、破産手続の開始決定を受けただけでは債務の返済責任は免れず、別途「免責許可」の決定を受ける必要があります。

この記事では、申立ての準備から免責許可決定が確定するまでの具体的な流れ、管財事件と同時廃止の違い、事前に集めるべき代表的な書類について、公的機関の公表情報をもとに分かりやすく解説します。

自己破産の手続きの流れと完了までの4つのステップ

自己破産の4つのステップを時間軸で表示。ステップ1:相談と書類準備、ステップ2:申立てと破産手続開始決定、ステップ3:審尋・管財人による調査、ステップ4:免責許可決定と確定。下部に「免責許可決定の確定で原則として返済責任がなくなる」と記載。

全体の手続きは、大きく分けて次の4つのステップで進みます。

ステップ1:専門家への相談と申立て準備

最初に行うのは、債務状況や財産状況の正確な把握と、裁判所へ提出する必要書類の収集です。自己破産を申し立てるには、保有財産の一覧や債権者名簿、家計の収支状況を証明する多岐にわたる資料を整える必要があります。

自己破産の手続きは揃える書類の種類が多いため、多くの場合、弁護士や司法書士といった法律の専門家に相談しながら申立ての準備を進めます。

ステップ2:裁判所への申立てと破産手続開始決定

管轄の地方裁判所へ破産手続開始・免責許可の申立書および添付書類を提出します。裁判所が書類を審査し、申立人が支払不能の状態にあると認められると、「破産手続開始決定」が下されます。

注意

裁判所の破産手続案内にも明記されているとおり、破産手続開始決定が出た段階では債務の法的な返済責任は免除されていません。法的に返済責任を免れるためには、後続の手続きで裁判所から「免責許可」を受ける必要があります。

ステップ3:審尋または破産管財人による調査

事案に応じて、裁判官との面談(審尋)や、裁判所が選任した破産管財人による調査が行われます。どちらの手続きになるかは次章で説明します。

ステップ4:免責許可決定とその確定

免責に関する調査や期日を経て、裁判所から債務の責任を免除することを認める「免責許可決定」が出されます。

大阪地方裁判所の案内によると、免責許可決定を受け、それが確定することで初めて、債務者は負っていた債務について法律上返済する責任が免除されます。また、法テラスの公式案内では、免責許可決定が官報に掲載されてから2週間が経過した時点で免責許可決定が確定すると説明されています。

補足・参考

免責許可決定が確定しても、法律で定められた一部の債務については支払い責任が免除されません。該当する債務があるかどうかは、個別に専門家へ確認することが重要です。

自己破産における2種類の手続き(管財事件と同時廃止)の違い

管財事件と同時廃止の手続きフロー比較。管財事件は開始決定後に管財人が選任されて調査が行われるパターン。同時廃止は開始決定と同時に廃止が決定されるパターン。法律上は管財事件が原則で同時廃止は例外。

自己破産の手続きには、「管財事件」と「同時廃止事件」の2種類が存在します。どちらの手続きで進められるかによって、手続きの期間や費用、破産管財人の有無が異なります。

項目 管財事件(原則) 同時廃止事件(例外)
法律上の位置づけ 原則的な手続き 例外的な取扱い
破産管財人の選任 あり(裁判所が選任) なし
主な対象事案 財産状況や調査の必要性などを踏まえ裁判所が判断 配当できる財産がなく、例外的に認められる場合
主な手続き内容 管財人による財産調査・換価・配当、債権者集会 破産手続開始と同時に手続き終了、免責審尋等
費用面の目安 管財人選任に伴う費用が別途かかる場合がある(裁判所により異なる) 管財人選任に伴う費用は発生しない

法律上は管財事件が原則

自己破産というと「同時廃止」のイメージを持たれることも少なくありませんが、大阪地方裁判所の案内にもあるように、法律上は破産手続は管財事件として進めるのが原則とされ、同時廃止事件は例外的な取扱いとされています。

財産の状況や免責に関する調査の要否などを踏まえ、例外的に同時廃止となる場合があります。

手続きの種別は裁判所が判断

管財事件となるか同時廃止となるかは、申立人自身が自由に選べるものではなく、提出された申立書や財産状況をもとに裁判所が判断します。財産の状況や免責に関する調査の要否などを踏まえ、管財事件として進められる場合があります。

所要期間と費用の違いに留意

免責までの期間は、個々の事案によって異なるため一律には示せません。破産管財人選任の有無、債権者集会の実施状況、そして免責許可決定が官報に掲載されてから確定するまでの2週間など、手続きの進行状況によって必要な期間が左右されます。具体的な見込み期間や費用は申立先の地方裁判所や相談先の専門家に直接確認することをおすすめします。

申立て時に準備する3つの代表的な必要書類

裁判所へ自己破産を申し立てる際には、申立書本体のほかに、生活状況や財産を証明する公的・私的な書類を幅広く揃える必要があります。ここでは、札幌地方裁判所の必要書類一覧(令和6年1月版)で示されている運用例をもとに、代表的な3つの書類を紹介します。

1. 世帯全員の住民票

申立人の居住実態および家族構成を確認するため、住民票の提出が求められます。

札幌地方裁判所の書類一覧では、「申立人及び同居者分」の住民票が指定されています。同居者全員が記載されていること、本籍地が記載されていること、そしてマイナンバー(個人番号)の記載がないものを取得して提出する運用となっています。

2. 収入を証明する給料明細書のコピー

現在の生活収支および支払不能の状況を客観的に裏付けるため、直近の収入資料を提出します。

札幌地方裁判所の例では、「給料明細書(申立直近3か月分)のコピー」が挙げられています。給与以外の収入がある場合の証明書類や詳細な指定については、申立先裁判所の一覧や相談先で確認してください。

3. 申立人および同居者の預貯金通帳のコピー

保有している資産の規模や、申立て直前の不自然なお金の動きがないかを確認するため、金融機関の口座状況を示す資料を提出します。

札幌地方裁判所の運用例では、「申立人及び同居者分の預貯金通帳のコピー」が指定されています。通帳の対象期間や、一括記帳がある場合の取引明細書の提出については同一覧に別途指定があるため、申立先の書類一覧で確認が必要です。

編集部の一言

ここで紹介したのは札幌地方裁判所の例で、指定期間や同居者の対象範囲は申立先の裁判所によって異なる場合があります。札幌地方裁判所のウェブサイトにも案内があるように、裁判所によっては本人申立て用の書式を一般向けに掲載していない場合もあります。不足や手戻りを防ぐためにも、申立先の裁判所または依頼する法律事務所へ事前に確認しましょう。

自己破産の相談先を選ぶ際の確認ポイント

自己破産の手続きを円滑に進めるためには、自身に適した法律の専門家や公的相談窓口を見つけることが大切です。相談窓口を選ぶ際は、以下の項目を比較・検討することをおすすめします。

・自己破産や債務整理の取扱実績が豊富であるか

・着手金、報酬金、実費などの費用体系が明確に提示されているか

・申立先となる管轄地方裁判所の運用に精通しているか

・初回相談の受付条件や対応方法(面談・電話・オンライン等)が生活に合っているか

債務整理を取り扱う窓口としては、全国の弁護士会や日本司法支援センター(法テラス)などの公的機関のほか、借金問題の相談を受け付けている弁護士法人や司法書士事務所があります。弁護士と司法書士では対応できる範囲が異なる場合があるため、問い合わせの際に受付対象や対応範囲を直接確認してください。

自己破産の手続きに関するよくある質問

自己破産を申し立てればすぐに借金の返済責任はなくなりますか?
申し立てた直後や、破産手続開始決定が出た段階では返済責任は免除されません。裁判所の案内によると、破産手続開始決定とは別に「免責許可決定」を受け、それが確定することで初めて原則として返済義務が免除されます。
免責許可決定は裁判所で決定が出たらその日に確定しますか?
その日には確定しません。法テラスの公式説明によると、裁判所が免責許可決定を出した後、その決定が国の広報紙である「官報」に掲載されてから2週間が経過した時点で正式に確定します。
管財事件と同時廃止は申立人が自分で選べますか?
自分で選ぶことはできません。大阪地方裁判所の案内にもあるとおり、法律上は管財事件が原則であり、同時廃止は例外的な取扱いです。財産の保有状況や免責不許可事由の有無などを考慮し、裁判所が手続きの種類を判断します。
専門家に依頼せず、自分で書類を揃えて申し立てることはできますか?
法律上、本人申立て自体は可能です。ただし、例えば札幌地方裁判所の公式ページでは「弁護士に依頼しないで申し立てる場合の書式は掲載していません」と案内されているように、裁判所ごとに運用の違いがあり、書類作成も多岐にわたるため、弁護士や司法書士などの専門家への相談も選択肢です。
免責が確定すれば、滞納しているすべての支払義務が免除されますか?
すべての支払義務が免除されるわけではありません。免責許可決定が確定しても、法律で定められた一部の債務は支払い義務が免除されません。

⚖️ 無料で借金問題を相談できる窓口

自己破産・任意整理・個人再生を含む借金問題は、専門家への早期相談で負担を抑えて解決できる場合があります。以下は無料で相談を受け付けている窓口です。

・法テラス(日本司法支援センター) — 収入要件を満たす方は無料相談+弁護士費用立替も可能

・弁護士ドットコム 借金・債務整理の相談 — 全国の弁護士に無料相談

※本記事は一般的な解説であり、具体的な手続きは資格を持つ弁護士・司法書士にご相談ください。

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まとめ|自己破産の手続きの流れを理解し適切な相談先を選ぼう

この記事のまとめ

・自己破産は「申立て準備」「開始決定」「調査・審尋」「免責許可決定の確定」の4ステップで進む

・開始決定だけでなく免責許可決定を受け、官報掲載から2週間経過して初めて返済責任が原則免除される

・法律上は管財事件が原則であり、同時廃止は例外的な取扱いとして裁判所が判断する

・必要書類や書式は申立先の裁判所によって異なる場合があるため、申立先の裁判所または相談先で確認する

自己破産は、法律の規定に基づいて経済的な生活再建を図る正当な制度です。しかし、手続きの開始決定と免責許可決定の違いや、管財事件と同時廃止の分岐、裁判所ごとに異なる必要書類の収集など、正確な法的知識が求められる場面が数多くあります。

借金の返済に悩み手続きを検討されている場合は、自己判断で抱え込まず、弁護士会や法テラスなどの公的相談機関、または債務整理の相談を受け付けている法律事務所などの窓口を活用し、ご自身の状況に適した解決方法を相談することをおすすめします。

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