【2024年版】自己破産を自分でやる方法|費用・手続き・必要書類を完全解説

【2024年版】自己破産を自分でやる方法|費用・手続き・必要書類を完全解説

「自己破産したいけれど、弁護士費用が払えない」「まず自分で手続きできるか知りたい」——そんな切実な疑問を持つ方は少なくありません。自己破産は確かに自分で申立てることが可能な手続きです。ただし、書類の準備から裁判所とのやり取りまで、専門知識なしでは難しい場面も多くあります。この記事では、自己破産を自分で行う場合の費用・手順・必要書類・注意点を、養分のトリセツ編集部がわかりやすく解説します。最後まで読むことで、「自分でできるか・専門家に頼むべきか」の判断基準が明確になるはずです。

目次

自己破産は「自分で申立て」ができる

本人申立て(自己申立て)とは何か

自己破産の申立ては、弁護士や司法書士に依頼せず、本人が直接裁判所に申立書を提出する「本人申立て」が法律上認められています。費用を抑えたい場合の選択肢として知っておく価値があります。

ただし、裁判所が受理してくれるかどうかは書類の正確さにかかっており、不備があれば補正(書き直し)を求められたり、最悪の場合は手続きが先に進まないケースもあります。「できる」と「スムーズにできる」は別の話であることを、まず念頭に置いてください。

自己破産で免責されると何が変わるのか

自己破産の最大の目的は「免責許可」を得ることです。免責が許可されると、一部の例外(税金・養育費・罰金など)を除いた借金の支払義務がなくなります。

一方で、以下のようなデメリットも生じます。

・官報に氏名・住所が掲載される

・信用情報機関に登録され、一定期間ローンやクレジットカードの利用が難しくなる

・一定額以上の財産は処分される場合がある

・手続き中は一部の職業・資格に制限が生じる

こうした影響を理解したうえで、手続きを進めることが重要です。

編集部の一言

自己破産はゴールではなく、生活を立て直すためのスタートラインに立つ手続きです。「逃げ」ではなく「再出発」と捉えることが、精神的にも重要な視点になります。

自分で申立てる場合にかかる費用

裁判所に納める費用の内訳

弁護士に依頼しない場合でも、裁判所への納付費用は必要です。主な費用は以下のとおりです。

費用の種類 金額の目安
申立手数料(収入印紙) 1,500円
官報公告費用(予納金) 約10,000〜15,000円
郵便切手代 数百〜数千円(裁判所による)
破産管財人への引継予納金(管財事件の場合) 最低20万円程度〜

財産がほとんどない「同時廃止事件」であれば、予納金は比較的少額で済みます。一方、財産が一定額以上ある場合や免責不許可事由が疑われる場合は「管財事件」となり、20万円以上の引継予納金が必要になります。

弁護士・司法書士に依頼した場合との比較

弁護士に依頼する場合の費用相場は、30万〜50万円程度が一般的です。司法書士(書類作成の範囲内)であれば15万〜30万円程度になることが多いです。

本人申立てなら裁判所費用のみ(同時廃止の場合は数万円以内)に抑えられますが、書類作成の手間・裁判所との交渉・精神的負担といったコストを考慮する必要があります。

注意

弁護士・司法書士でない第三者が報酬を受け取って債務整理の代行をすることは、弁護士法72条(非弁行為)に違反します。「格安で代行します」という業者には十分ご注意ください。

法テラスを活用して費用を抑える方法

収入・資産が一定基準以下の方は、法テラス(日本司法支援センター)の審査を通じて弁護士費用の立替制度を利用できます。月々少額ずつ分割で返済する仕組みのため、「お金がなくて弁護士に頼めない」という状況でも選択肢として検討できます。まずは法テラス(0570-078374)に相談してみることをおすすめします。

自己破産の手続きの流れ(本人申立ての場合)

STEP1|申立先の裁判所を確認する

自己破産の申立ては、申立人(あなた)の住所地を管轄する地方裁判所に行います。全国に50か所ある地方裁判所が対象です。裁判所のウェブサイトや電話で、担当部署(破産部・民事部など)を事前に確認しておくとスムーズです。

STEP2|必要書類を収集・作成する

書類の準備が本人申立てで最も時間と労力のかかる工程です。必要書類は大きく「申立書類」と「添付書類」に分かれます(次のセクションで詳述します)。

STEP3|裁判所へ申立書を提出する

必要書類がすべて揃ったら、管轄の地方裁判所に持参または郵送で提出します。持参の場合は事前予約が必要な裁判所も多いため、必ず事前に確認してください。書類に不備がある場合は「補正命令」が出され、修正・追加が求められます。

STEP4|審尋(面接)に臨む

申立後、裁判所から呼び出しがあり、裁判官または書記官による審尋(面接)が行われます。申立書の内容について確認・質問されます。正直に、落ち着いて答えることが重要です。

STEP5|破産手続開始決定・免責審尋・免責許可

審尋を経て問題がなければ、破産手続開始決定が出されます。同時廃止の場合はその後に免責審尋(免責不許可事由がないかの確認)が行われ、問題がなければ免責許可決定が出ます。申立から免責許可まで、同時廃止事件であれば3〜6か月程度が一般的な目安です。

補足・参考

「同時廃止」とは、破産財団(処分すべき財産)がほとんどなく、管財人を選任するまでもないと判断された場合に、破産手続の開始と廃止が同時に行われる手続きです。財産の少ない個人の自己破産では比較的よく見られます。

自己破産に必要な書類一覧

申立書類(裁判所の書式を使用)

裁判所のウェブサイトや窓口で書式を入手し、記載します。主なものは以下のとおりです。

自己破産申立書(破産申立書)

陳述書(破産に至った経緯・生活状況を自分の言葉で記載)

債権者一覧表(借り入れ先・残高・返済状況をすべて記載)

財産目録(保有する財産の一覧)

家計収支表(毎月の収入・支出の状況)

添付書類(収集が必要なもの)

添付書類の収集が最も手間のかかる部分です。一般的に求められる書類は以下のとおりですが、裁判所ごとに異なる場合があるため、必ず申立先の裁判所に確認してください。

・住民票(世帯全員分)

・戸籍謄本

・源泉徴収票・給与明細(直近2〜3か月分)

・確定申告書の写し(自営業者の場合)

・通帳のコピー(直近2〜3年分・全口座)

・借入残高証明書・取引明細書(各債権者から取得)

・不動産登記事項証明書(不動産所有の場合)

・車検証・査定書(自動車所有の場合)

・保険証券・解約返戻金証明書(生命保険等がある場合)

注意

債権者(借入先)を意図的に漏らして申告しないことは「詐欺破産罪」に問われる可能性があります。また、免責不許可事由に該当する場合もあります。すべての借入先を正直に記載してください。

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本人申立てが難しいケース・専門家に相談すべきケース

管財事件になりそうな場合

一定額以上の財産を保有していたり、免責不許可事由(ギャンブル・浪費・詐欺的借入など)が疑われる場合は、「管財事件」として破産管財人が選任され、手続きが複雑になります。このケースでは書類も増え、管財人とのやり取りも発生するため、本人申立ては現実的に難しくなります。

債権者が多数いる・借入先が複雑な場合

消費者金融・銀行・クレジットカード会社・個人(家族・友人)など、借入先が多岐にわたる場合は、残高証明書の取り寄せだけでも相当な手間がかかります。書類漏れが生じると手続きが遅れるリスクもあります。

過去に免責を受けたことがある場合

過去7年以内に自己破産で免責を受けていると、再度の免責許可が難しくなる場合があります。このケースでは自己破産以外の債務整理(個人再生・任意整理)が選択肢となることもあり、弁護士へのご相談を強くおすすめします

精神的・体力的に余裕がない場合

借金問題を抱えている時期は、精神的に追い詰められているケースがほとんどです。そのような状況で膨大な書類を自力で準備し、裁判所とやり取りすることは大きな負担となります。「費用を抑えたいが、余力がない」という方は、まず法テラスに相談することを選択肢のひとつとして考えてみてください。

編集部の一言

「自分でできるかどうか」は、財産状況・借入の複雑さ・精神的余裕によって大きく変わります。まず法テラスや弁護士会の無料相談で現状を話してみることが、最も賢明な第一歩かもしれません。

免責不許可事由とは|自己破産が認められないケース

主な免責不許可事由の種類

免責不許可事由とは、裁判所が「この事由がある場合は免責を与えない」と定めている事情のことです。破産法252条に列挙されており、代表的なものは以下のとおりです。

・ギャンブル・投機(株・FX・競馬・パチンコ等)による著しい財産の減少

・浪費(高額なブランド品購入・飲食費の過剰支出など)

・財産の隠匿・虚偽申告

・特定の債権者だけに返済する「偏頗弁済(へんぱべんさい)」

・申立書類への虚偽記載

・過去7年以内の免責取得

免責不許可事由があっても免責される場合がある

免責不許可事由に該当していても、裁判所の裁量によって免責が許可される「裁量免責」という制度があります。ギャンブルや浪費が原因でも、反省の姿勢・再発防止への取り組み・その他の事情などを総合的に考慮して免責が認められることがあります。

ただし、これは「必ず認められる」ということではなく、専門家のサポートを受けながら適切に対応することが望ましい場面です。

補足・参考

ギャンブルによる借金は、依存症の問題が背景にあるケースも少なくありません。自助グループ(ギャンブラーズ・アノニマス等)や、各都道府県の精神保健福祉センター、依存症専門の医療機関への相談も、生活再建の重要な一歩となり得ます。

自己破産以外の債務整理との比較

任意整理|債権者と直接交渉する方法

任意整理は、弁護士・司法書士が債権者と個別に交渉し、将来利息のカットや分割払いの見直しを目指す手続きです。裁判所を通じない手続きのため、財産を守りやすく、手続き対象の借入先を選べる点が特徴です。継続的な収入があり、元本なら返済できる方に向いています。

個人再生|裁判所を通じて借金を大幅に減額する方法

個人再生は、裁判所の認可を受けて借金を最大1/5程度に圧縮したうえで、3〜5年かけて返済する手続きです。住宅ローン特則を使えばマイホームを残しながら手続きできる点が最大のメリットです。一定の継続収入が必要です。

自己破産が適しているのはどんな場合か

自己破産は、返済の見込みがまったく立たない・収入がない・借金額が多額という場合に有力な選択肢となります。デメリット(財産処分・信用情報への登録等)を理解したうえで、専門家と相談しながら判断することをおすすめします。

手続き 借金の扱い 財産 収入要件
任意整理 利息カット・分割見直し 原則維持 必要
個人再生 最大1/5程度に圧縮 原則維持 必要
自己破産 免責(支払義務消滅) 一定額超は処分 不要

相談できる公的機関・無料窓口

法テラス(日本司法支援センター)

法テラスは国が設立した法的支援機関です。収入・資産が一定基準以下の方には弁護士費用の立替制度があり、審査を経て分割返済が可能です。電話(0570-078374)やメールで相談窓口につながることができます。

弁護士会・法律相談センター

各都道府県の弁護士会が運営する法律相談センターでは、30分程度の有料(5,500円程度)または無料の初回相談を受け付けているところが多くあります。自己破産を含む債務整理全般について専門家のアドバイスを受けることが可能です。

消費生活センター・市区町村の相談窓口

消費生活センター(188番)や市区町村の相談窓口でも、借金問題に関する情報提供や他の相談機関への案内を受けることができます。「どこに相談すればいいかわからない」という場合の入口として活用できます。

編集部の一言

「相談するのが恥ずかしい」「もう手遅れかもしれない」と感じる方ほど、実際には早期相談で選択肢が広がることが多いです。法テラスや弁護士会の初回相談は、気軽に利用できる公的な窓口です。一人で抱え込まないでください。

よくある質問

自己破産を自分で申立てると、弁護士に頼む場合より何が違いますか?

最大の違いは「費用」と「手間・サポート」です。本人申立てなら裁判所費用(同時廃止の場合は数万円程度)で済みますが、書類収集・作成・裁判所との応対をすべて自分で行う必要があります。弁護士に依頼すれば費用はかかるものの、書類作成・債権者対応・裁判所とのやり取りを代行してもらえるため、精神的・時間的負担が大きく軽減されます。また、弁護士が介入することで債権者からの督促が止まる「受任通知」の効果も得られます。

ギャンブルで作った借金でも自己破産できますか?

ギャンブルによる借金は免責不許可事由(破産法252条)に該当する可能性がありますが、それ=申立て不可ということではありません。裁判所の裁量によって免責が認められる「裁量免責」の制度があります。ただし、虚偽の申告や財産隠しがあると免責が認められにくくなるため、正直に申告したうえで、専門家(弁護士等)のサポートを受けることを検討してください。

自己破産すると家族に影響が出ますか?

原則として、自己破産の効果はご本人のみに及びます。家族の信用情報や財産に直接影響することはありません。ただし、家族が保証人になっている借金がある場合は、保証人(家族)に請求が行くことがあります。また、同居する家族への生活上の影響(居住する自宅が処分対象になる場合など)は、個別の状況によって異なります。詳細は専門家にご確認ください。

申立てから免責許可まで、どのくらいの期間がかかりますか?

財産がほとんどない「同時廃止事件」の場合、申立てから免責許可決定まで3〜6か月程度が目安です。財産があったり免責不許可事由が疑われる「管財事件」の場合は、6か月〜1年以上かかることもあります。書類の不備による補正が生じると、さらに時間がかかる場合があります。

自己破産後、いつからクレジットカードや借入れができるようになりますか?

自己破産の情報が信用情報機関(CIC・JICC・KSC)に登録される期間は、機関によって異なりますが、おおむね5〜10年程度とされています。この期間中は、新規のクレジットカード作成やローン審査が難しくなることが一般的です。登録が消去された後は、各金融機関の審査基準によって判断されます。

⚖️ 無料で借金問題を相談できる窓口

自己破産・任意整理・個人再生を含む借金問題は、専門家への早期相談で負担を抑えて解決できる場合があります。以下は無料で相談を受け付けている窓口です。

法テラス(日本司法支援センター) — 収入要件を満たす方は無料相談+弁護士費用立替も可能

弁護士ドットコム 借金・債務整理の相談 — 全国の弁護士に無料相談

※本記事は一般的な解説であり、具体的な手続きは資格を持つ弁護士・司法書士にご相談ください。

まとめ|自己破産の本人申立ては「可能」だが「慎重な準備」が不可欠

この記事のまとめ

・自己破産の本人申立ては法律上可能で、同時廃止事件なら裁判所費用は数万円程度に抑えられる

・必要書類は「申立書類(裁判所書式)」と「添付書類(収集が必要なもの)」に分かれ、収集・作成に相当な労力がかかる

・管財事件・免責不許可事由がある・借入先が複雑な場合は、専門家への相談が現実的な選択肢となる

・費用が心配な場合は法テラスの審査を経た弁護士費用立替制度が利用できる可能性がある

・ギャンブルや浪費が原因でも「裁量免責」の制度があるため、まず専門家に状況を話すことが重要

・相談先として法テラス(0570-078374)・弁護士会法律相談センター・消費生活センター(188番)が利用できる

自己破産は「人生の終わり」ではありません。正しい手続きを踏むことで、借金問題から抜け出し、生活を立て直すための法的な制度です。「自分でできるか」「専門家に頼むべきか」の判断は、まず現状を誰かに話してみることから始まります。一人で抱え込まず、公的な相談窓口や専門家への相談を選択肢のひとつとして考えてみてください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的アドバイスではありません。具体的な手続きについては、弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください。養分のトリセツ編集部

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この記事を書いた人

養分のトリセツ編集部|投資詐欺・情報商材・悪質ビジネスから身を守るための情報を、金融庁・消費者庁・国民生活センターの公開資料に基づき発信。「絶対儲かる」「誰でも稼げる」を疑い、自分の頭で判断できる消費者を増やすことを目指します。具体的な相談先・対処事例も紹介。

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