競艇の予想をするうえで、「潮」の影響を無視することはできません。特に海水を使った競艇場では、満潮・干潮や上げ潮・下げ潮といった潮の状態がレース展開に大きく作用します。潮の動きを理解し、出走表と照らし合わせることで、予想の精度は確実に向上します。
本記事では、競艇と潮の関係について、基礎知識から実践的な予想への活かし方まで、初心者にもわかりやすく解説します。
潮の基礎知識──満潮・干潮・上げ潮・下げ潮とは
まずは潮に関する基本的な用語を整理しておきましょう。
満潮と干潮
満潮(まんちょう)は、海面が最も高くなるタイミングのこと。逆に干潮(かんちょう)は、海面が最も低くなるタイミングを指します。1日に2回ずつ満潮と干潮が訪れるのが一般的です。
競艇場においては、満潮時と干潮時では水位が大きく変わるため、水面の状態が大きく異なります。
上げ潮と下げ潮
上げ潮は、干潮から満潮に向かって潮が満ちていく状態を指します。水面が徐々に高くなり、水の流れも活発になります。
一方、下げ潮は満潮から干潮に向かって潮が引いていく状態。水位が下がり、水面が比較的落ち着いてくる傾向があります。
競艇の予想では、このタイミングによってレース展開が変わることが多く、特に「今のレースが上げ潮なのか、下げ潮なのか」を把握することが重要です。
潮回り──大潮・中潮・小潮・長潮・若潮
潮の満ち引きには周期があり、月の位置によって変化します。これを潮回りといいます。
・大潮: 満潮と干潮の差が最も大きい。月と太陽の引力が重なる新月・満月の時期に発生
・中潮: 大潮と小潮の中間。潮位差は中程度
・小潮: 満潮と干潮の差が最も小さい。上弦・下弦の月の時期
・長潮: 小潮の翌日に起こる、潮位変化がさらに緩やかな状態
・若潮: 長潮の翌日。徐々に潮位差が大きくなり始める
大潮の日は水面が荒れやすく、小潮の日は穏やかになりやすい傾向があります。競艇場によっては、大潮の日に荒れ水面による波乱が起きることもあります。
潮がレースに与える影響
潮の状態によって、水面のコンディションは大きく変わります。それがスタート、ターン、直線の伸びといったあらゆる局面に影響を与えます。
満潮時の影響
満潮時は水面が高くなり、うねりが出やすくなります。水面が不安定になることで、艇がバランスを崩しやすくなり、アウトコースからの豪快なまくりが決まりにくくなる傾向があります。
その結果、インコースが有利になりやすいのが特徴です。安定した走行ができる選手、スタート力が高い選手がより有利になります。
干潮時の影響
干潮時は水面が低く、穏やかで走りやすい水面になります。艇が安定するため、スピードが出しやすくなります。
この状況では、アウトコースからのまくりやまくり差しが決まりやすくなります。スピードターン型のモーター、若手のパワフルな選手が台頭しやすいタイミングです。
上げ潮の影響
上げ潮は水が流れ込んでくる状態なので、水面が不安定になりやすく、波乱が起きやすい傾向があります。艇のバランスが崩れやすく、スタートのタイミングがずれたり、ターンで流されたりすることがあります。
インが絶対ではなくなり、展開次第ではアウトからの捲りや差しが炸裂することも。予想の難易度が上がるタイミングでもあります。
下げ潮の影響
下げ潮は水が引いていく状態で、上げ潮に比べると比較的安定しています。水面の乱れが少なく、レース展開も読みやすくなります。
セオリー通りの決まり手が出やすく、予想もしやすいタイミングといえます。
潮の影響が大きい競艇場TOP5
全国24か所の競艇場のうち、海水や汽水を使う競艇場では潮の影響が顕著に現れます。ここでは、潮の影響が特に大きいとされる代表的な競艇場を5つ紹介します。
1. 江戸川競艇場(東京都)
日本で唯一の河川競艇場であり、汽水域に位置する江戸川は、潮の影響が最も顕著な競艇場として知られています。潮位差が大きく、満潮・干潮によって水面のコンディションが激変します。特に上げ潮時は水面が荒れやすく、「日本一の難水面」として選手からも恐れられています。荒れた水面ではインが不利になることも多く、波乱決着が頻発します。
2. 福岡競艇場(福岡県)
博多湾に面した海水競艇場で、潮位変動が直接レースに影響します。満潮時はうねりが出て水面が荒れやすく、干潮時は穏やかでスピード勝負になりやすい傾向があります。潮の流れが速い時間帯では、ターンマークで艇が流されることもあり、潮の読みが予想の鍵を握ります。
3. 鳴門競艇場(徳島県)
鳴門海峡に近く、激しい潮流が特徴です。大潮の日には潮の流れが非常に速くなり、水面が大きく揺れます。特に上げ潮・下げ潮の切り替わりのタイミングでは水面が乱れ、イン逃げが不利になることもあります。潮汐表を必ずチェックし、潮のタイミングを把握したうえで予想するのが鉄則です。
4. 丸亀競艇場(香川県)
瀬戸内海に面した競艇場で、潮位差が大きいことで知られています。満潮時には水面がうねり、インコースが有利になりやすい一方、干潮時にはスピード勝負になり、外からのまくりが決まりやすくなります。潮のタイミングを見極めることで、的中率が大きく変わる競艇場です。
5. 宮島競艇場(広島県)
厳島神社で有名な宮島に位置する海水競艇場。潮位変動が大きく、水面の様子が時間帯によって劇的に変化します。満潮時は水面が高くなり、バックストレッチ側に風の影響が出やすくなります。干潮時には水面が安定し、セオリー通りの展開になりやすい傾向があります。
予想への活かし方──潮汐表を使ったレース分析
ここまで解説してきた潮の影響を、実際の予想に活かすには、出走表のレース時刻と潮汐表を照合することが重要です。
潮汐表の見方
潮汐表は、各競艇場の公式サイトや気象庁のサイトで確認できます。以下の情報が記載されています。
・満潮・干潮の時刻
・潮位(cm単位)
・潮回り(大潮・中潮など)
たとえば、12Rのレースが14時に行われる場合、潮汐表で「14時が満潮に向かう上げ潮なのか、干潮に向かう下げ潮なのか」を確認します。
レース時刻と潮のタイミングを合わせる
具体例として、以下のようなケースを考えてみましょう。
・満潮: 13時
・干潮: 19時
・レース時刻: 15時
この場合、15時は満潮を過ぎて干潮に向かう下げ潮のタイミングです。下げ潮は水面が比較的安定しやすいため、セオリー通りの展開が期待できます。インが強い競艇場であればイン逃げ、外が強い競艇場であれば外からのまくりといった、その競艇場の特性が出やすいと予想できます。
逆に、レース時刻が11時であれば、満潮に向かう上げ潮のタイミング。水面が不安定になりやすく、波乱の可能性を考慮して予想する必要があります。
潮の影響を加味した予想のポイント
・満潮×上げ潮: 水面が荒れやすい。インコース重視だが、スタート力が重要
・満潮×下げ潮: 水面が落ち着き始める。安定した展開が期待できる
・干潮×上げ潮: 水面が徐々に不安定になる。波乱の兆しあり
・干潮×下げ潮: 穏やかで走りやすい。スピード勝負になりやすい
これらの組み合わせを理解し、競艇場ごとの特性と合わせて考えることで、より精度の高い予想が可能になります。
まとめ
競艇における潮の影響は、特に海水や汽水の競艇場で無視できない重要な要素です。満潮・干潮、上げ潮・下げ潮といった潮のタイミングによって、水面のコンディションは大きく変わり、レース展開にも直結します。
潮汐表を活用し、レース時刻と照らし合わせることで、「今のレースがどのような水面状態で行われるのか」を予測できます。潮の影響が大きい江戸川、福岡、鳴門、丸亀、宮島といった競艇場では、この情報が予想の精度を大きく左右します。
潮を読む力を養い、データに基づいた冷静な予想を心がけることで、競艇の楽しみ方はさらに深まるでしょう。

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